自作キーボードキットといえば、基板をアクリルで挟み込む形式がほとんど。誰でも手を出しやすい現実的な価格のキットを作ろうとすると、どうしてもこの仕様に落ち着くわけですが、とはいえ、みんなと同じというのがあまり好きではないへそ曲がりな性分なので、なにか工夫をしたいと常々考えているわけです。
そもそもZincはLEDの光をふんわりと照らすように半透明のアクリルを採用しており、以前からこの手のキットによく使われてきたクリアアクリルや、不透明の黒や白といったアクリルとは違った表現が可能になっています。
それとは別に、もうひとつのアイデアが当初からありました。あったのですが、すっかり忘れていたというのが正直なところでして、そいつを思い出したのがほんの数週間前のことでした。
アイデアというのはトップとボトムのプレート間にぽっかりと空いた空間を埋めるミッドプレートです。折しも季節は冬。からっ風の吹きすさぶ東京の冬を越すための完全防備のお洋服を彼女に作ってやることにしたのです(いつの間にか擬人化モード)。
通常、この手のキーボードはアクリルと基板を同サイズにして隙間を少なく錯覚させるのがセオリーですが、Zincはわざと基板の外形サイズよりも大幅にアクリルをはみ出させていました。Zincの基板外形とアクリルプレートの外形の差を作ったのは、LEDの反射を見せるための余白が必要だったのと、そこにお洋服を着せるという構想が設計段階にあったからです。
アクセントプレート、通称【お洋服】は、Zincのアクリルプレート間の隙間を埋めるミッドレイヤーです。単にホコリ混入対策というだけでなく、視覚上もアクセントになるように基板外形ギリギリまで食い込む形をしており、上から見た際には半透明アクリルからお洋服の色が透けて見え、あたかもケースの色が変わったように感じられる効果が期待できます。
しかもこのお洋服は、すでに作り上げてしまったZincにも、アクリルを固定しているビスを外してやれば簡単に取り付けることが可能。つまり、気分によってお洋服を変えてキーキャップとのコーデを自在に楽しめるのです。
お洋服の着せ方
最初に裏側のネジを緩めて取ります
表側の四隅のネジを外します
ProMicroを引っこ抜いて、アクセントプレートをまずTRRSコネクタに引っ掛けます
それから全体をはめ込んでProMicroを戻し、ボトムプレートを元通りにネジ止めしていきます
販売スタートそしてデータ公開
Zincを着飾るためのお洋服=アクセントプレートは今週から遊舎工房さんのレンタルボックス12で販売をスタートしています。また、BOOTHのお店『25KEYS』でも近日中に販売する予定です→販売開始しました!
しかし! 同時にお洋服の3Dプリントファイルを公開いたします。
ユーザーのみなさんの中には3Dプリンタをお持ちの方もいらっしゃると思いますので、ぜひ思い思いの色のお洋服をプリントして着せてあげてください。また、データを元に改造して別の形のお洋服に仕立てるのも楽しそうです。ライセンスはCC-Attribution-Share Alikeとなりますので商用利用も可です。
ピュアホワイトのアクセントプレート付きZincデラックスフルキット特別版も限定で出品中です
ベーシックキットは遊舎工房のレンタルボックスでも販売しています