水がなんだか白っぽい。
よく見ると、白くもやもやした物体がゆらゆらと蠢いているようにも見える。
微生物のような生き物なのだろうか?
おそらくバクテリア等のバランスが取れていないためなのだろう。「出来た」水にはアンモニアを亜硝酸に変え、亜硝酸を硝酸塩に変えるバクテリアが住み着いているという。しかし、まだ立ち上げたばかりのこの水槽にはそんなものがいるはずもない。
通常、水が「出来上がる」のには4週間程度かかるという。
けれども、待ったなしに金魚がそこにいる。それが現実だ。いくら丈夫な和金とはいえ、放って置いては死を免れまい。調べてみると、バクテリアを乾燥保存させたバクテリアの素なるものが売られているらしい。さっそくホームセンターに買いに走った。
最近はすっかりこのコーナーが楽しくなった。
いくつかある中から水槽と同じメーカーのニッソーが出しているスーパーなんちゃらという商品を選んだ。
これがいいのかどうかは知らん。ただなんとなく、という乱暴な選び方だった。
それと、今回はもうひとつ欲しいものがあった。エアーポンプである。
安売りセット水槽についてきたポンプは、それはそれは騒がしいものだった。そりゃそうだろう。数百円で質のいいものが作れるはずはない。AC100Vから降圧させるトランスだけでもそれなりの値段はするものだし、さらにモーターが入っているわけで、部品代だけを考えてもよくこれで商売になるもんだと感心せざるを得ない。ネットで調べたところ、この付属ポンプは定価600円程度のものらしい。静音仕様のものは倍以上の値段がするようだった。
静かだとネットで定評の水作の水心なるシリーズは、近くのホームセンターにも置かれていた。これは1980円。セット水槽よりもはるかに高い。高いのだからきっとさぞ静かなことだろう。ついでに逆流防止弁と、チューブ、それにエアーストーンも買っておく。病気になったときに必要だろう。
帰宅して新しいエアーポンプにつなぎ替えてみる。もう、これは段違い。まったく別物である。聞こえてくるのはエアーが水面で弾ける音ばかりで、ポンプに近づかない限りはほとんど気になることはない。
さすが水心。
さて。あとは白濁の方である。
バクテリアの素を振りかけると、粉っぽいそれは水にパッと広がっていった。それをエサだと思ったのだろう。お馬鹿なうちの和金はパクパクとせわしなくその粉を口に運んでいた。まあ、水の中に放たれるバクテリアなんだから食べても害はなかろう。