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金魚・悪食実験室その1

飼い始めてすぐに金魚の餌を買った。それ以来、いくつか餌を買いそろえて、気分に応じて与えている。脳みその少なそうな金魚とはいえ、さすがにいつも同じものでは飽きるだろう。実際には、餌投入と同時に猛ダッシュでパク付く彼らが飽きたようなそぶりを見せたことなど皆無で、問題は、むしろ飼い主の方だ。

新しい餌をやるときの期待感。喜んで食べてくれるか、それともたいしたことないのか。初めてやる餌に対する金魚の反応を見るのは楽しい。だからといって、市販されている餌を全種類などとても買えない。安いとはいえ賞味期限があるから、食べ切らなければゴミ箱行きだ。

ある日、ふと思い出した。金魚は雑食で、パンやご飯つぶなんかも食べるという話だ。人間様の残飯でも充分餌になるってことだが、それならうちの金魚たちはどうだろうと試してみることにした。

まず最初に投入したのは、パン屑だ。朝食べたパンの端っこが皿の上に残っていた。小さくちぎって入れると、いったんは警戒して逃げてしまう。これはほかの人間系の餌でもよくみられる反応で、金魚の餌のように最初からパク付くものは稀だが、たいていはしばらくすると興味を示して、おそるおそる突きにくる。普段はビビリ屋でメリーの影に隠れてばかりの次郎が、このときばかりは俄然やる気だ。やつは悪食ということなのだろう。

小さくしてあるとはいえ、普段の餌よりは大きめのそれを必死で口に入れると、小刻みにパクパクさせて飲み込もうと奮闘する。手で押さえながら食べるという芸当が出来ない金魚は、大きいものを口にすると噛むたびに開いた口から食べ物が外へ出ようとしてしまう。それをなんとか阻止しようと出来る限りの速さで咀嚼するのだろう。次郎に遅れて、メリーもパンに挑戦。美味くはないが、食えないってほどでもないな、という顔をしている。当たり前だ。こっちもそう思って食っているコンビニのパンなのだ。

また別の日に、やはり残ったご飯を入れてみた。これはすぐに餌と判断したらしく、次郎もメリーも食いつきが早い。イケルと判断した飼い主が、大人の親指ほどの固まりを三つ、四つ投入すると、次郎はその一つにすかさずパク付いてたいらげてしまった。しかしその後が問題で、さすがに量が多すぎたのか食べ切らない。メリーなんぞは、泳ぎながらご飯をパクッと口にするものの、「間違えた」とでも言いたげな顔をして「ペッ」とはき出す始末だ。それでも翌朝にはなくなっていたから次郎が食べたのだろう。

けれども、後日になって後悔することになる。水質があまり良くなさそうなので、水替えと水槽内のガラスの苔とりをすることにしたのだが、ガラスに触れたその瞬間に何が起きているのか、何が起こっているのか、そのすべてを悟った。ヤマト糊を塗りたくったようなベトベトがすべてのガラスに付着していたのだ。その上、たまたま手のすぐ脇を通りかかった次郎の体も同じ感触。ガラスは拭いたが金魚たちは拭くわけにもいかず、結局、彼らの体が元に戻るには2週間くらいかかった。それまで2日に一度という高頻度で水替えとガラス拭きを繰り返すことになったのである。

金魚の健康に気をつかうなら、専用の餌を使った方がよかろう。彼らの毒にはならずとも、何かしら悪い影響を与える可能性は充分にある。適切な飼育方法については良書を参考にされたい。それでも悪食実験に挑戦したいという方には忠告しておこう。ご飯だけはやめた方がいい。

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次郎:おい飼い主! うまいもん食わせろ!

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