一体型40%キーボードUT47.2
やれ60%が標準だとか、やれアローキーないの使いづらいから65%がいいとか、いやいや30%使いこなしてこそのマニアだよとか、いろんなご意見もあるとは思いますが、そろそろ40%がやっぱりいいんじゃないか的な空気が醸造されてきたような気がしないでもない昨今でございます。
個人的には数字行がないキーボードを使い続けて1年を超え、最近ではむしろ60%のマイナス/音引きを探すようになってしまいました。慣れとは怖いものです、はい。
そんな自分ですのでもちろん参加してましたUT47.2のGB(現在、エクストラ販売中!)。
UT47.2というのはai03さんが設計された40%キーボードです。
・PCB/PCB製スイッチプレート/同じくPCB製ボトムプレートのシンプルな構造
・PCBにはスイッチソケットを含めSMD部品がすべて実装済み
購入すればはんだ付けの必要なしにスイッチをはめてスペーサーをねじ止めしてキーキャップを被せたらおしまいというお気楽なキットです。しかもたった$38。これはほんとに実質無料なのでもちろん参加しました。日本では遊舎工房さんがプロキシ(日本の窓口)を担当してくださったので、遊舎工房さんからです。
GBの場合、参加募集後に製造されるため数カ月程度待たされるのが通常で、このGBでも発送まで3カ月弱ほどかかったかと思います。それでも実は5月には届いていたのですが、慢性的な積みキー状態になっているため、まあそういうことなのでした…。
UT47.2の組み立ては当然楽で、スイッチはめて付属している部品をねじ止めすればすぐに終わります(※)。
しかし問題はキーキャップ選びでした。なにせ配列が特殊なのです。
40%もそれなりに流行っているので最近では40%キットが設定されるキーキャップGBも珍しくありませんが、しかしながら1.5uのSHIFTとかBACKSPACEあたりを含むキットはほとんどないのが現状です。加えて苦しいのが色でした。今回、自分がオーダーしたパープル基板だと似合うキーキャップが限られてしまいます。
あれでもないこれでもないと悩みまくった結果、残ったのはDSA Godspeedでした。正確に言うと、これはMT3版GodspeedのMINUTEMANキットとして販売されたものです。素材が蓄光なので暗闇で光る厨二向けギミックが最高です。
DSAであればユニフォームですし、しかもモディファイアが通常のレジェンドではなくどこに持って行っても問題ない遊び心にあふれた文字列なのでこういうシーンには重宝します。
というわけでキーキャップをはめて完成。ですがなんかしっくりきません。
いろいろ考えましたが、どうもぽっかり口を開けているプレート間がいまいちなのです(写真はあえて載せません。持っている方はわかるかと)。そもそもUT47.2は基板サイズよりもプレートがかなり大きく張り出している構造をしています。日本のキットの多くは、基板とそれをはさむスイッチプレート(多くの場合除くProMicro部)とボトムプレートとを同じサイズにすることでそれぞれの基板間スペースを小さく見せ、このぽっかりを回避していますが、UT47.2はむしろわざと上下プレートをはみ出させているかのようです。これはミッドプレートを挟むことを想定した設計のように思えます。
※ただし付属のスタビライザーではなく別途用意したGMK製を使用しました。滑らかさが違います ネジも別のものに変えています
ミッドプレートを作ろう
ならば、ということでミッドプレートをちゃちゃっと設計して出力します。
残念ながら手持ちの3Dプリンタはこのサイズの出力ができないため、パーツを分割します。せっかく分割するのですから、色を変えて遊んでみることにしました。
パープル基板に合わせ、最近手に入れたベイビーピンクとラベンダーの2トーンです。
ミッドプレートを入れると断然よく見えてきます。しかも打鍵音も良い方向に変化します。高域が減ってどっしりとした音に変わり、端的に言って上のクラスのキーボードのように聞こえてきます。これまでプレート間から漏れていた音がミッドプレートに塞がれたためでしょう。また、筐体にPCB以外に樹脂が加わったことも関係していると思います。個人的には今回のプレート追加で実用の許容範囲内に入ってきました。
こちらのミッドプレートはメタリックグレーとラベンダーの2トーン。試しに紙やすりでサンディングしています。180番→400番→800番→2000番→コンパウンドとやっていくと映り込むようになりますが、メタリックグレーの方はわざと180番を飛ばして400番からにし、少し積層痕を残してやることでアルミのヘアライン加工風に仕上げています。
USBポート周辺にもサブプレートを入れる構造になっています。
このミッドプレート、せっかくなのでBOOTHでオーダー受けます。お好きな色を選んで自分だけのUT47.2にカスタマイズしてください。
※販売しているものは未研磨です
※なお、準備が出来ましたらSTLファイルをオープンにする予定→しました!
ファームウェアの整備
なかなか気に入ってしまったUT47.2なのですが、ひとつ無視できない問題点があります。
それはファームウェアです。UT47.2はアメリカ生まれのキーボードなので日本語入力を考慮したキーマップがありません。
ないものはほしいと思った人が動くのが基本なので作りました。Helix系でおなじみのMac / Windows切り替えにより、OSXでは英数/かなとして、Windowsではトグル式としてIME切り替えが機能するように実装しています(というほどたいそうなことはしてない)。
また、Aキーの左にあるTabキーにL3レイヤーではなく長押し時にCtrlを割り当ててます。Mac式です。
そのほかキーマップの詳細はreadmeを参照ください。とりあえずわたしのリポからどうぞ(そのうち本家にPR出すつもり)。