ALETH42は40%キーボード
新しいキーボードを設計しました。ALETH42といいます。
ALETH42は40%キーボードのひとつです。40%キーボードには、テンキーはおろかアロークラスターも、そして数字行もない。とくにこのALETHに関して言えば、独立したコロンやクォーテーションキーもありません。それらを入力するためには、複数のキーを同時に押すレイヤー機能を使って実現することになります。たとえば数字の1を入力するには、2つあるショートスペースバーのうち右側のちょっとだけ長い方を押しながらQのキーを押します。
4行配列のキーボードではこのように面倒な手順が必要となりますし、学習コストもそれなりにかかります。しかし、先駆者たちの多くは、指を伸ばさずに済むというメリットを選んでこうした4行配列を愛用してきました。
もっとも、自分が40%を愛する理由は、そうした身体的・機能的な部分よりも、こじんまりとしたその佇まい、つまりデザインにあります。ちっちゃいものはもうそれだけでかわいいのです! こんな小さなキーボードでフルキーボードと遜色ない仕事をこなせるのって痛快じゃないですか。ちなみに界隈ではさらに先を行っており、最近ではAlpha28やGherkinといったスモールファクターもよく見られます。40%でキーが足りないなどと贅沢なことを言ってはいけません。
ALETH42の特徴
40%の立ち位置を簡単に説明したところで、このALETH42の特徴についてです。
ALETHとは、真理を意味するAlêtheiaというギリシャ語から名づけられました。多くは申しません。これは真の42キー・キーボードなのです。
機能面では42個のキーを搭載可能で、うち最大2個に関してはロータリーエンコーダとすることも出来ます。通常は短めのスペースバーを2個用いたレイアウトを想定していますが、一般的な6.25uの長いスペースを使うことも可能で、その場合は40キーとなります。
また、ALETH42はPlanckのロープロ版ケース互換になっています。つまり、Planckを持っている人なら、そのケースに入れて使うことができます。少ないコストでオーソリニアとロースタッガードを入れ替え式で使い分けることができるわけです。このあたりが開発の不純な動機だったりします。
そのほかの特徴も含めて列挙しておきますね(その後、β版で変更になった点を追記→別ページに改めて最新仕様をまとめるつもりです)。
・42キー
・2つのロータリーエンコーダを搭載可能
・スプリットスペースもしくは6.25uのスペースバーを選択可能
・Atmega32u2オンボード→Atmega32u4
・USB Type-Cコネクタ搭載
・Planckロープロファイルケース互換
・オーディオ機能(スピーカー)なし
・バックライトLEDなし→インスイッチバックライトLED対応化(砲丸型)
・QMKファームウェア使用
※スプリットスペースは2.25u+2.75uから2.75u+2.25uに変更になりました
ALETH42の頒布
現在、ALETH42は試作基板が上がり、パーツを実装してファームウェアを書き、動作試験をしているところです。写真のように、3DプリントのプレートとOLKBが販売していたアルミ製のPlanckケース(ロープロ版)に収まっています。
試作基板には余剰分が少数ありますので、α版人柱向け販売(MCU含めた回路パーツおよびプレート付属)を検討しています。
募集は終了しました。正式版リリースをお待ちください。進捗についてはDisocrdで行われています。
・ALETH42は表面実装部品を使っており、α版ではすべて自分ではんだ付けしなくてはなりません(正式版はPCBA予定)
・試作基板は緑です(正式版は色が変わる予定)
・ブラスかアルミ、あるいはステンレスでプレートを作ろうと考えていますが、現状では自家3Dプリントによる樹脂製プレートが付属します
・当方が気づかない問題点があるかもしれませんが、場合によっては充分に対応できないかもしれません
・その他、正式版では予告なく変更されることがあります
と、これではあんまりなので特典をつけます。正式版が販売になった暁には、今回のα版価格分だけ値引きした金額で購入できることとします(ただし、α版購入後2週間以内に組み立ててブログやツイート、Discordなどでフィードバックをいただいた場合に限り。最低限仮組みをお願いします)。価格はロータリーエンコーダ1個込みで3000円程度を考えています。
表面実装の自信がないという場合は、こちらで実装することを検討するかも…。
このテキストはALETH42を使って書きました。