MOJO68のご紹介

Melgeekさんから彼らの新しいキーボードMOJO68のサンプルを送っていただきましたので紹介したいと思います。

MelgeekさんはMDAやMGなどのキーキャップを製造される一方で、オリジナルなキーボードも開発販売されています。MOJO68は一般的に65%といわれる人気レイアウトのキーボードで、カスタムキーボードシーンで最近ちょっとしたトレンドになっている射出成型による樹脂ケースを使用するリーズナブル/アフォーダブルなモデルになります(あくまでカスタムキーボードにおいてのお手軽価格です)。

MOJO68の主な特徴は、透明度の高いシースルーのケースと、ガスケット構造にあります。

MOJOシリーズに共通する丸みを帯びたデザインにはレトロ調のかわいさがあります。たとえばOlivetti Letteraを思い出させるようなテイストです。

https://www.designindex.org/products/design/lettera-22-olivetti.html

打鍵音や打鍵感に直結するマウント方式は、ポロンフォームとシリコンマットで挟み込んだガスケットマウントになっています。これにより、打鍵時の余計な反響を抑え込み、柔らかな打鍵感を実現することが期待されます。

サンプルとして手元にあるのは「Retro」と呼ばれているグレーのシースルーです。ボトムケースとPCBの間に位置するシリコンマットはかなりどっしりとしており、PCBの鳴りを抑えてくれそうです。また、スイッチプレートとPCBの間にはEVAシートが挟まれ、こちらもスイッチ本体からの防音に寄与すると思われます。

基板はソケット式で、またスイッチの向きはGMKフレンドリー、つまりCherry正位置です。素晴らしい。
また基板にはスイッチごとのRGB LEDが装備済みなので、クリアなハウジングのスイッチを使えばバックライトを楽しむことが出来ます。
それでは実際に組み立ててみます。

MOJO68ビルドログ

ソケット実装済みのPCBなので、はんだ作業は不要です。プレートマウントのスタビライザー仕様となっているため、スイッチをはめた後からでもスタビライザーを実装することはできますが、いつものようにスタビからやっていきます。

スタビはスペースと、左シフト、右バックスペース、リターンの4か所になります。まずはルブします。
スタビのルブはプレートマウントでもPCBマウントのものでも同じです。ステムとハウジングのこすれる部分、そして、ワイヤーとハウジングのこすれる部分を中心に潤滑剤をぬりぬりします。今回は、わけあって余りある信越シリコーンのG-501を使いました。金属も樹脂も侵さないグリースです。
プレートマウントタイプで少しわかりにくいのがプレートへの固定の仕方でしょうか。写真のようにワイヤーをプレートの下側に入れ込んでから、反対側をプレートに押し付けるようにします。

4か所すべて付け終わったら、プレートをひっくり返してEVAフォームをセットします。プレートはよくある板ではなく、周囲にリブが設けられ、基板を固定するためのスペーサーが出っ張っていてネジが切ってあります。フォームの次に基板をセットし、ネジ留めします。

ネジ留めしたらひっくり返してスイッチをはめていきます。今回は、バックライトLEDの光を透過するようにクリアなアクアキングを用意しました。

このとき、スイッチの端子が曲がっていないかを注意してください。曲がったまま差し込むと、ソケットに端子がはまらずに折り曲げてしまいます。曲がっている端子は、ピンセットなどを使ってまっすぐにすることが出来ます。

スイッチをはめたらUSBケーブルをそっと差し込んで(ケースに入れる前なので、手荒に差し込んで基板に対して下方に力をかけると、最悪の場合、USB端子がモゲてしまいます)、PCに接続します。正常に認識されましたら、キー入力のテスター機能のあるソフトを使って、全キーが正常に機能するかどうかを確かめます。万一、認識されないキーがあった場合は、基板の裏から飛び出ているスイッチの中心部を押すなどしてスイッチを外し、端子をチェックします。おそらくは端子が曲がってしまっていると思います。端子をまっすぐに直して再度ソケットにはめます。

スイッチがすべて正常であることが確認出来たら、ケースへ組み込んでいきます。
ボトムケースの上にシリコンマットを収め、さらにその上にプレート~基板を乗せます。

ボトムケースの4隅の出っ張りに円筒型のガスケットをはめます。

次にトップケースにもパッドを押し込みます。このパッドは6か所あります。

最後にトップケースをボトムケースにはめます。この際、必ず背側のUSB端子などを先にはめるようにします。さもないと端子などを破壊することにもなりかねませんので注意が必要です。

なお、ケースはネジ留めではなく、爪のはめ込みでの固定となります。スイッチプレートから基板までが一体となって、ケースとはガスケットによって切り離された状態になっているというわけです。

キーキャップは同じくMelgeekのMG Duskを合わせました。
試打してみるとしっかりダンプが効いていて、パコパコと安っぽく反響する一般的な樹脂ケースの弱点を感じさせません。軽めのアルミケースはキンキンとした金属音がしがちですが、もちろんそれもありません。

シースルーと呼ぶのにふさわしい透明度の高いケースをはじめ、ひとつひとつのパーツの質が高く、樹脂ながら所有欲を満たしてくれる素敵なキーボードです。 

なお、Kickstarter終了後に日本向けに販売しませんか?という話をいただいています。GBなのか、それとも在庫販売になるか、また、その際の商品内容はどうなるかなど詳細はまったく決まっていませんが、ご要望が多ければ実現するかも! いち早く欲しい!という方はKickstarterでクラウドファンディングがスタートしています(お約束:参加にはリスクがありますので参加の判断はご自身で)。

投稿者: monksoffunk

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