キーボードキットの組み立ての際に悩むポイントとしてRGB LEDがあります。
ProMicroを使ったキットの場合、リード部品のみで構成されることも少なくありませんが、ことRGB LEDに関しては例外的にチップ部品です。なかでも難易度が高いのがSK6812miniのはんだ付けでしょう。
スイッチ直下の基板に四角い穴を開けてそこに落とし込んではんだでランドをブリッジさせるというかなりアバンギャルドな実装方法に眉をひそめるエンジニアもむろんいらっしゃるでしょうが、電子工作ホビーの領域ではむしろ面白がって挑戦するくらいの度量があってもいいんじゃないかと思ったりもしますお遊びと捉えて大目に見ていただければと(製品としてはご法度でしょう)。
とはいえ、ビギナー向けにはあまりにも無慈悲な作業になります。というのも、接触面が基板の断面のみという固定性のなさに加えて、極端に熱に弱いSK6812miniの特性がはんだ作業を格段に難しくするのです。
かくいうわたくしめも初めてSK6812miniを実装した際にはブチ切れました。
熱に弱いと断り書きがあってもそれは念のためのエクスキューズだったりするんじゃないかと楽観視して、通常温度ではんだごてを当て続けたところ、昇天の連続。半数くらいをダメにしました(一気にやってはいけません)。
先人たちの対策案を見てましょう。
・4つのランドを一度にはんだ付けせず、1つか2つにとどめて時間をおいて残りのはんだ付けをする
RGB LEDを付けていきます。いつものようにはんだごては220℃で、2つずつ。フラックスは先に塗布しました。 #zinc pic.twitter.com/riu0MbiURV
— やました@大人げない大人 (@hdbx) December 9, 2018
・SK6812miniの位置を少し上めにしてはんだの接触面を増やす
個人的sk6812miniのコツ。
— ✝白き翼の魔王✝ (@swan_match) September 18, 2019
ハンダを置くというより、基板側パッドにハンダを乗せて、コテをsk6812mini側に倒して、毛細管現象(?)を利用してsk6812miniに流し込む感覚。 pic.twitter.com/5M6DmAx5tR
やました@大人げない大人さんの動画にもあるように、そもそもこての温度を上げないのが一番で、結局はここにつきるわけです。こての温度が高いので数秒以上当てれば部品が限界を超えて破壊されるのですから、こての温度を下げてしまえばよいのです。こて先温度を230度程度まで下げられれば、SK6812miniはほぼ破壊されることはないでしょう。ただし、温度が低いとはんだ付けが出来ません(※通常、有鉛・無鉛にかかわらず一般的なはんだは230度程度では溶けにくいです。やましたさんの220度ではんだ付け出来るはんだが気になります…)
ならば低温でもはんだ付け可能なはんだがあればよいのでは?
そうです。おあつらえ向きのはんだがありました。
融点139~141 ℃、しかも鉛フリーです。
たしかDiscordの自キサーバの書き込みで知ったような記憶があります。
これを使うと、こて先230度でもはんだ付けが容易ですし、やり直しても壊れることはまずありません。線径が太目(0.8mm)なのとお値段が少々張るのが玉に瑕ですが、失敗続きでSK6812miniがトラウマになっている人なら買っても損はしないと思います。
なお、入手先はモノタロウさんが容易です。
「SK6812miniがトラウマになっている人々へ」に1件のコメントがあります
分割型オール1uロースタッガードキーボード:Zinc | 25KEYS
(2019-11-03 - 6:37 PM)[…] 高い温度で長時間LEDチップを温めるとチップが破壊されます。※SK6812miniの実装については別記事も参考になさってください。 角穴はLEDの幅ぎりぎりに作ってあるため、バリが残って […]